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nav3観測原理

 

 大気中の温室効果ガス分子は、それぞれ特定の波長の光を吸収します。observationまた吸収の強さは基本的に光源(太陽)と地表面及び地表面と観測者(GOSAT-2)の間の大気中の分子数によって決まるため、FTS-2データに記録された吸収特性の詳細な分析により、分子数、つまりガス濃度を逆に推定することができます。

 

 FTS-2はGOSATやOCO-2など既存の衛星よりも広い波長領域をカバーするため、二酸化炭素に加えて、メタン、水蒸気、一酸化炭素の大気中濃度データを取得することができます。

 

 GOSAT-2は1日に地球を15周回し、6日毎に同じ場所に戻ります。地球周回中、約4秒毎に1つFTS-2データを取得します。その総数は6日で100,000データを超えます。またFTS-2による測定点間の平均距離は通常、赤道上で200 km以下です。

 

 雲・エアロゾルの影響があるFTS-2データから温室効果ガス濃度を正確に推定することは残念ながら困難です。そのため、CAI-2データから得られる雲マスクを含めた他の情報を用いて、雲・エアロゾルの影響のあるFTS-2データを識別する必要があります。さらにGOSAT-2では雲・エアロゾルの影響がないデータを増やすため、FTS-2内部のカメラによるリアルタイム画像から自動的に雲を識別し、即座にポインティングミラーを動かすことで雲を避ける「インテリジェントポインティング」という新機能を導入します。

 

 GOSAT-2はGOSATの2倍以上となる毎日600以上の温室効果ガス濃度データを取得することが期待されています。信号雑音比の向上と海上のサングリント観測のための衛星進行方向へのポインティング角の拡張も、温室効果ガス濃度データ数の増加につながります。

 

 FTS-2用の雲マスクに加えて、CAI-2は都市部や越境大気汚染に関する重要な情報を提供します。CAI-2の特徴の1つは、都市部を含めた陸上のエアロゾル特性評価に有効である紫外(UV)域に2バンドを有することです。なお、GOSAT搭載CAIには紫外域に1バンドだけあり、Terra/Aqua搭載MODISにはありません。他の特徴としては、海上のサングリントを避けるための前方/後方視機能があり、両データを複合利用することでサングリントの影響を受けずに海上の越境大気汚染状況を監視できます。

 

 

Updated: June 27, 2016